フィリピンのファミリーデイとは？フィリピンの学校行事のお話

ある日のこと、妻から連絡が入る。「覚えている？」「11月11日～12日はFamily dayだから、さきが楽しみにしているから、忘れずに来なさいね。」「覚えているよ。」はい、完全に忘れていました。

Family day の会場

ファミリーデイ（Family day）とは何？

1992年、フィリピンは、当時のフィデル・V・ラモス大統領が家族の大切さを強調する重要な試みとして、毎年9月の最終週を家族週間（Family week)に指定する布告第60号に署名します。ここからファミリーデイなる行事が一般化していったようです。

ファミリーウェークの後に、学校行事として週末を使いファミリーデイを設定して、学校が生徒の家族を呼び、アクティビティー等を通して家族の大切さを学ぶ、学校行事の中でも、学校側が学費の実質的支払い者側への大きなアピールの場にもなっているようです。

Fami;ly day 会場の全景。熱気が熱い。

チームカラーは”ＲＥＤ”赤チームになる。

学校より購入した赤チームTシェツ350PHP×3名分

従前の伝えられていた情報は長ズボンと靴を履いてくる事だったので、てっきりフォーマルなイベントかと勘違いしていました。黒い長ズボンは、脱がされジーンズに履き替えさせられ、半袖のフォーマルなビジネスシャツは、学校で購入された赤色のＴシャツに着替えさせられました。

そして、我が家族はレッドチームです。と告げられると、何だか、遠い昔に体育会系の理不尽な先輩に、万引きを強要された時くらい、自分が何を求められているのかが分かっていない状況で、「Yes,,,」と返答することしかできませんでした。

とにかく赤チーム側の席に着席して、周りを見渡すと出店（多分、近所の方々や親御様達のビジネス関係）が並んでいたので、ジュースや軽食（ホットドッグ等）を購入。各家族はお弁当を広げて頬張りながら声援‼ものすごい歓声と熱気がムンムン溢れるなか、各出し物が始まります。

各チームのダンスと応援「Go Go　Reds!!」妻に「運動会だ！多分、日本ではこれを運動会っていうんだよ。」と興奮気味に話すと、「は？Family day」と冷たくあしらわれるも、筆者はやっとのことで状況を把握できました。

家族みんなで楽しめる☆「Family day」の内容はコチラ！

各チーム（今回我々は４チームに分かれました。）の出し物が、まずは披露されました。光栄なるREDチームの一員となった我々は、我が娘の華麗なるステージパフォーマンスをしっかりと見て、モチベーションを上げていきました。何とも、統率の取れていないマスゲーム的なダンスと、やる気のない我が娘の表情を眺め、なかなかモチベーションを上げるのには苦労いたしました（苦笑）

後半のメインイベントは各チーム父による、「綱引き」と母と子の共同での「椅子取りゲーム」こちらがメインイベントとなっておりました。案の上、体の大きさを理由にREDチームのご家族様より、強烈な推薦をいただいた私は、この偉大なる選抜メンバーで「綱引き」の、優勝請負人となると、緊張のあまり顔は強張り、何年ぶりと思うくらいの緊張感に包まれました。

しかしながら、私の緊張をよそに、REDチームは１回戦を圧勝します。４チームによるトーナメントで１回戦に圧勝した我々REDチームは、ついに決勝戦（２回戦が決勝です。）を迎える事になります。各家族より父への過大な声援を受け、我が娘には真剣な眼差しで見つめら、“ここはふざけられない…”と本気で戦いに挑みました。

写真から伝われば幸いですが、決してふざけられない雰囲気、こんなに真剣に綱を引いたのは、いつぶりか忘れましたが、とにかくがむしゃらに、「一生懸命とはこういう事だ！」と言わんばかりに、手にはマメをつくり、血がにじむのをこらえて、全背筋力を使い必死に綱をひきました。

しかし、最後には無残にも尻もちをついた私は、哀れな姿で最強Purpleチームに引きづられてしまいました。「Daddy！！」悲痛な娘の叫びはむなしく響きました。妻に聞くと、その後、我が娘は「I will help daddy！」と言い残し、会場内に姿を消したとの事でした。そう、ひきづられる私の横で、鬼瓦のような顔をした女の子が、私と一緒に引きづられ、他のDaddyに「危ないからやめなさい！」と怒られ、綱から引き剝がされたあの娘は、我が娘です。恥ずかしさのあまり、他人のフリをしてごめんなさい(;’∀’)

ただ、なるほどFamily Dayとは良いネーミングだと感じました。運動会というと、足が速い子、力が強い子、そういったフィジカルが長けている子がフォーカスされがちですが、Family Dayであれば、一つ一つのゲームをみんなで楽しめるなと思い、フィリピンの運動会＝Family Dayに参加できて良かったなと思っています。

フィリピンのファミリーデイは、生徒と家族が集まる全校を挙げた大イベントです。
学校によって、それぞれ楽しみ方は違うようですが、筆者も家族の絆や大切さを改めて実感する一日となりました。